同じ時期に建てた隣のお家が外壁塗装をしているから、自分の家も外壁塗装をしたほうがいいのかなあ。でも雨漏りもないしまだ大丈夫と思っている方、外壁塗装の適正時期を逃すと費用もかさみ、工事も長引くことがあります。そうなる前に、外壁塗装の基礎知識や劣化のサインについて身に着けて置きましょう。
目次
1. 外壁塗装の基礎知識
1-1. 外壁塗料には寿命があります
1-2. 家の健康維持
1-3. 外観の維持
2. 外壁塗装の時期
2-1. 塗料の耐用年数
2-2. 外壁の劣化のサイン
3. まとめ
1. 外壁塗装の基礎知識
見た目では、大きな損傷もないし、変色もない、雨漏りもないから外壁塗装は数年後にしようと思っている方は多くいらっしゃると思います。ご近所様と家のことについて話していると、外壁塗装費が高く、工事期間が長いと聞くと、少し敬遠しがちですよね。放っておくと、もう手遅れ!ということにならないように、これから外壁塗装の基礎知識や役割について、ご説明します。
1-1. 外壁塗料の寿命
外壁塗料の役割は、直射日光や雨風から家を守ることです。しかし、外壁塗料は永久的に持続するということではなく、耐用年数があります。直射日光を浴びることで、塗料が劣化し、防水性や遮熱性能が下がり、家を守る本来の役割を果たせなくなります。塗料の効果がなくなると、直射日光や雨風の影響を直接受けることになりますので、お家の寿命を縮めてしまう結果になります。雨漏りが発生していると、追加工事が発生することもありますので、要注意です。
1-2. 家の健康維持
塗料の耐用年数が過ぎてしまうと、防水性や遮熱性などの強度が下がり家の劣化スピードが速くなります。外壁塗装をすることで、下地処理により防水性能の向上が期待できます。劣化の初期段階で塗装をすることで、家の健康を維持することができます。
1-3. 外観の維持
一番高価な買い物である家は、キレイな状態を持続させたいと思っている方がほとんどだと思います。外壁塗装をすることによって、劣化していた部分を綺麗にすることができ、新築当初と同じ様な外観の輝きに戻ります。塗装前とは違ったカラーデザインにすることができるので、お好みの外観に仕上げることができます。
基礎知識や役割についてご説明してきましたが、いつごろ外壁塗装をすればいいのかわからないという方が多いと思います。これから外壁塗装の時期についてご説明します。
2. 外壁塗装の時期
外壁塗装の時期は「塗料の耐用年数」と「外壁の劣化のサイン」で見分けるようにしましょう。「どのくらい劣化しているのか」については、外部の環境(天候・日差し・雨風)によって、大きく左右されますので、一概には言えません。リフォーム業者に一度見てもらうことをオススメします。
2-1. 塗料の耐用年数
【アクリル系塗料】 耐用年数:4~7年
発色が良く低コストです。しかし、汚れやすく耐久性が劣り耐用年数が短いため、現在はほとんど使用されていません。
【ウレタン系塗料】 耐用年数:6~10年
外壁との密着性が優れており、価格・耐久性・機能性・施工性のバランスが良いので、コストパフォーマンスが高いです。現在では、シリコン系塗料の人気が高いため、使用される頻度は下がりました。
【シリコン系塗料】 耐用年数:8~15年
耐久性の信頼性が確保されており、現在では、屋根や外壁の塗り替えで頻繁に使われている塗料です。汚れや色落ち、防カビ性、防藻性に優れています。
【ラジカル系塗料】 耐用年数:8~15年
2020年に発売された新しい塗料で塗料劣化の原因であるラジカルの発生を抑制する効果があり、耐久性があります。防汚性や防藻性、防カビ性に優れ、耐候性も高いです。
【光触媒塗料】 耐用年数:10~15年
太陽光で汚れを浮かせて雨で汚れを洗い流す効果があります。そのため、外壁のメンテナンス性が優れています。
【ピュアアクリル塗料】 耐用年数:12~15年
かなり純度の高いアクリル樹脂を使用しています。そのため、アクリル系塗料より耐久性が大幅に優れているというメリットがある反面、価格が高いというデメリットがあります。
【フッ素系塗料】 耐用年数:15~20年
光沢性と防汚性に優れ、耐用年数が長いのが特徴です。主に商業施設やビル等に使用されていましたが、現在は徐々に住宅にも使用されるようになってきています。価格が高いのが、デメリットです。
【遮熱系塗料】 耐用年数:15~20年
太陽熱を反射し、室内を快適に保つ効果があり、耐久性が高いです。省エネルギーで環境に優しい塗料なので、自治体によっては、補助を受けられることもあります。お住まいの自治体にお問合せしてみましょう。
【無機系(セラミック)塗料】 耐用年数:15~20年
塗料の主成分は、セラミックやケイ素等の無機物です。そのため、紫外線に強く劣化が生じにくい特徴があります。耐久性・耐候性が高いだけでなく、カビやコケの発生抑制にもなるのが、メリットです。
2-2. 外壁の劣化のサイン
外壁を見ても、何を目安に耐用年数が過ぎているかどうかを見分けるのかが分からないと思います。「外壁の劣化のサイン」のチェックポイントは5つありますので、ご紹介します。
【外壁の色落ち】
外壁にひび割れがなくても、色落ちがしている場合は、劣化の初期段階です。この段階で、外壁塗装を検討するのがベストタイミングです。
危険度は低いですので、早急な塗装の必要はありません。
イメージ写真はパーですが、チョーキングです。外壁を触ると、白い粉がつくことがあります。これを「チョーキング」と呼びます。紫外線や直射日光、雨風の影響で、塗装の表面が劣化しているために白い粉が出ています。建物の南側がよく劣化しやすい印象があります。
危険度は中です。
【外壁塗膜の膨れと剥がれ】
外壁をよく見てみると、塗膜が膨れていたり、剥がれていたりすることがあります。これは、劣化が原因で発生する症状です。これらを放置しておくと、雨水が外壁内部に侵入し、ひび割れを引き起こす可能性がります。
危険度は高いです。
【ひび割れ】
ひび割れがある場合は、劣化の進行度が高いということです。できるだけ、早めのメンテナンスをオススメします。進行度が重症の場合は、工事内容が増え、リフォーム費用が増大する恐れがありますので要注意です。
危険度は非常に高いです。
【コーキングの割れや剥がれ】
サイディングの目地や窓回りなどのコーキングの劣化により、割れや剥がれが発生します。この場合は、「増し打ち」や「打替え」を行い、雨水の侵入を未然に防ぎましょう。「増し打ち」に比べて「打替え」のほうが、費用は高いですが、コーキングの耐用年数は長いです。リフォーム会社に相談してみると良いでしょう。
危険度は非常に高いです。
「増し打ち」・・・既存のコーキングの上からコーキングを打つこと。
「打替え」・・・・既存のコーキングを撤去したあと、コーキングを打つこと。
3. まとめ
外壁の塗装には遮熱性・防汚性・光沢性・防水性などの機能・役割があります。塗料の耐用年数が過ぎてしまうと、これらの機能が失われ、建物が汚れやすくなり、さらには、雨漏れの原因にもなりかねません。雨漏れが発生してしまうと、土台や柱にシロアリが発生ということもあります。そのような状態になってしまった場合は、その部分の工事が別で必要になることから工事費用が増大してしまいます。
そうなる前に外壁塗装をしていただきたいので、「外壁の劣化のサイン」についても書かせて頂きました。この記事を見てから、一度ご自宅の外壁を注意深く見てください。危険度が高い症状が出ていた場合は、早めにリフォーム会社に連絡をしてください。
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